NEMのスーパーノード管理者の認識差異について

この前、ちょっとした違和感もあり、SN保持者向けの記事を書いた。

siwon-g.hateblo.jp

 

その中で、

で、個人的に思ったのが、NEMフォーラムで公開された文章の読み取り方・認識の仕方が人によって随分差があるのでは?ということ。

ここの部分がちょっと引っかかっていたのでそれの補足というか蛇足というか、自分なりに消化するためにつらつらと書いてみる。

 

まず、個々人の認識に差があるのは、NEMへの関わり方や情報収集の仕方、知識や技術の差があるので、ある種当然とも言える。
ただ、それらを踏まえた上でなお「前回のような差が出たのは何故なのか?」と言うのを考えたときに、一つの要因として以前も「重要な問題が見つかったからアップデートするよ。問題が大きいから詳細は後で話すね。」という状況を経験しているかどうか(重要性を理解しているか)が大きいのでは?と考えた。

 

過去の重要なアップデート(ハードフォーク)とは、例えば2017年3月のNEM Beta 0.6.84(一部ではみなりん*フォークと呼ばれている)のこと。

forum.nem.io

 

このアップデートの原因となったバグは、重大なバグということで発見者のみなりん*さんに102万5千XEMという大金(当時で約100万円)が報酬として送られた。
※ちなみに、発見者が日本人と言うこともあってTwetter等では報酬の方に注目が集まっていたけど、実はこの時のバグが原因で(?)一部のSNはDBの同期が完了出来なくて報酬が貰えず、ノードとしても役に立たない状態になっていたりする。アップデートすることで解消されたけど、この点については当時からNEMに興味を持ってた人達でも知ってる人は少ないかもしれない。

 

この流れを知ってる人達から見れば「この前(Ver.0.6.91)のアップデートも以前(Ver.0.6.84)と同様に重要なんだな」というのをすぐに理解出来るし、たとえ詳細が不明でも「今回も後で情報が出るだろうから早めに更新しとくか」という認識になる。
けど、この流れを知らない人からすれば「なんでバグの情報が出ないんだ?後から出るなら情報を待つか。」という考えに至ってもおかしくはない。

 

なんでおかしくないのかというと、今までサーバー側の立場になった事がない人がほとんどだから。
特に、業務レベルでの経験や、多額の金銭に直結するような状況で関わった経験がないから。
つまり、システムにおけるサーバーの役割や影響度の強さを実感として理解出来ないから、クライアント側の立ち位置で考えてしまうのはある種自然なことだと思う。
(というか、実感を伴うのはウィルス感染して被害を拡散したり、ハッキングされてパニックになった経験でも無い限り無理な気が・・・)


これ、良くも悪くもシステム関係者(開発者、管理者、保守対応者等)以外でも比較的簡単にSN保持者になれるからなんだよね。
※300万XEMを今から貯めるのが簡単ということでは無い
構築方法もセキュリティ対策も情報開示してくれる人達がいるし、VPSのレンタルも最低限のセットアップも簡単にできる。
むしろ、システム関係者で暗号通貨にも興味があり、300万XEM貯めるだけの資産がある・・・なんていう人の方が少ないんじゃないかな?

(実際、プログラマーシステムエンジニアでもブロックチェーンって結局なんなの?と言う人達は一杯いるし)

 

門戸を開き、有志が和訳したり日本語での情報も豊富で、システム関係者以外でも簡単に参入出来るというのは素晴らしい事だけど、それ故に認識に齟齬が出やすいのかもしれない。
なにせ、NEMに限らずブロックチェーン等を使った暗号通貨はシステム(ソフトウェア)が起点且つ主軸なので、どの通貨でも初期メンバーはそれなりに技術に興味があり、自分で調べる事が出来る人達が集まっているから。
(たとえ直接の開発はしないとしても、最初にハマる人達は理論や本質を理解している人が多い)


けれど、一般に普及すればするほど技術や理念に興味のない人が増え、広まれば広まるほど、技術に精通している人達や技術オタクの割合は相対的に小さくなる。
それが一般化するということなんだろうけど、多分開発者、買い手、売り手、ほとんどの人達はそんなことを考えてない気がする。

 

別に、考えないのが悪いとは思わないけれど、それぞれの立場を考えるという(正直もの凄く面倒な)作業を関係者全員で行わないと、健全な形での理想的な発展は難しいのかな?と、そんなことを思った。
一番古くメジャーな暗号通貨であるBitcoinも、出てきた当時の理念を知らない・・・と言う嘆きの(?)Tweetをしている人達が増えてきたし。

 

まぁ、暗号通貨に限らず、新しいものが出れば多かれ少なかれ同じような問題は噴出するし、結果的にうまく折り合いがついたものが生き残るんだと思う。
たとえ、生き残ったものが最善のものではなくても。

 

余談1:100万XEMの報酬が出た頃の概要(?)

本人のアカウントが鍵付きになっているので直接Tweetを確認できないけど、当時の簡単な状況はこちらのサイトと文中リンクされてるまとめサイトを参照。

cryptocurrencynote.hatenablog.com


余談2:バグに対するシステム開発者とそれ以外の人達の認識の乖離

システム開発者は仮に億単位の金を掛けても100%バグをなくす事は出来ないと知っている。

何故ならパソコン(サーバー)とは、ハード、ソフト共に寄せ集めで、それぞれが自分以外の他者が作ったものの上に成り立っている事を知っているから。
つまり、自分にはどうしようもない理由により、バグが出ることもあると知っている。
例えば、メモリの初期不良や相性問題、OSのバグ、同型の筐体で全く同じ設定をしたのに何故か一台だけ動作が異なる、等々。

 

対して、開発者以外の人達、特に日本人は潔癖症の気があるから、バグがあるのは開発者の怠慢や粗雑な作りに因るものだと考える(ことが多い)。
勿論、そのパターンもあるんだが、ブラック企業で馬車馬の如く死を甘受しながら働いている人達ならともかく、暗号通貨のように新しいものを好き好んで開発している人達はそれなりに品質にも拘っている。
というか、真面目に働いている人達ほど自分がバグを出すことを忌避しているし、リリース前に潰そうとする。
けれど、前述の通りバグは自分以外の理由で出ることもあるので、開発者は折衷案を考え、現実的なラインで妥協し、自分にできる範囲で品質(安定性、速度、使いやすさ)を上げることになる。

 

でもまぁ、そんなのは他者からすれば知ったことでは無いので、バグが出れば「なんだか分からないけどヤバい!」と思うのも当然と言えば当然のことだし、「状況は分からないけどヤバいらしいよ?」という伝言ゲームが始まるのも当然なのかもしれない。


多分、こういうのはどの業界でも変わらないんだろうなぁ。
例えば医療とかでも、知識のある人達からすればどうしようもないことが多々あるだろうけど、結果的に病気や怪我が治らなかったり、死亡してしまった時に医療関係者を責める人をゼロにすることは出来ない気がする。

 

う~ん、ままならないものですなぁ。